線形モデルがアトリビューションを理解するのに適していると考えた。各タッチポイントのCV貢献度が平坦でシンプルなので、これが理解できれば、起点モデルや終点モデルの理解もたやすくなるだろう。タッチポイントのCV貢献度の比重を前後に動かせばよいのだから。
GA4の広告、アトリビューションからコンバージョン経路を開く。そもそもアトリビューション(attribution)とは何か?属性とか帰属とかが英和辞書ででてくるだろう。また動詞attribute は~のせい、~に帰するといった意味がある。~に帰するって日本語ほとんど使わないと思うがどうだろう?まあ、それは置いておいて、シンプルに考えると、「~のおかげ(で)」の意味で覚えてもらってよい。巷では間接効果とか言われているが、各タッチポイントのCV評価を考えることから、それも良い気がする。
ここではコンバージョンをメディアにして、経路の数を5つのタッチポイントで設定した。どのタッチポイントのおかげで、CVを稼げているのか見てみよう。
左上「コンバージョン(デフォルトチャネルグループ)」を「 コンバージョン(メディア) 」にする。(単に好みだからだ)「使用:クロスチャネルデータドリブン」から「 使用:クロスチャネル線形モデル」を選ぶ。
早期タッチポイント、中間タッチポイント、後期タッチポイントとは?
各タッチポイントはユーザーのCVに至る最初の接点、次の接点、最後の接点を示している。
上図での「2」を例にとる。最初の接点「referral」次の接点は3つあって全て「organic」最後も「organic」。このような構成。さらに細かく見る。
接点(ポイント)は5つあってCVは1である。ここで、各接点のCV貢献度を考える。まず、CVをポイント数で割る。1÷5=0.2。1タッチポイント当たりのCV数が取れた。 初の接点「referral」には0.2が割り当てられる。 次の接点は3つの「organic」だから0.2*3=0.6が割り当てられる。最後の接点「organic」は0.2となる。以下の計算式はこの「2」だけではなく、「1」も「3」も含まれる。
表にまとめてみた。
早期タッチポイント
コンバージョン0.6(計算式:0.2+0.2+0.2=0.6)
早期タッチポイント20%(計算式:0.6÷3*100=20%)
* 早期タッチポイント20%計算式中の3の計算式は各タッチポイントの貢献度の合計を加算したものである。(0.6+1.8+0.6)
中間タッチポイント
コンバージョン1.8(計算式:0.6+0.6+0.6=1.8)
中間タッチポイント60%(計算式:1.8÷3*100=60%)
* 中間タッチポイント60%計算式中の3の計算式は各タッチポイントの貢献度の合計を加算したものである。 (0.6+1.8+0.6)
後期タッチポイント
コンバージョン0.6(計算式:0.2+0.2+0.2=0.6)
後期タッチポイント20%(計算式:0.6÷3*100=20%)
* 後期タッチポイント20%計算式中の3の計算式は各タッチポイントの貢献度の合計を加算したものである。 (0.6+1.8+0.6)
ここでは、 経路の数を5つのタッチポイントで選んだので、必然「中間タッチポイント」のCV貢献度が大きくなってしまっているが、その中でどのメディアが多用されているのかを把握することは重要である。今回は 「中間タッチポイント」 でのorganicの貢献度は1.2であるから、例えば、SEOを疎かにしてはならないことや、場合によりCPC(検索連動型広告)も検討すること等が考えられる。
また、各タッチポイントのCV貢献度は様々なモデルで当然に変化する。
ここで一覧にしてご紹介する。
アトリビューションモデル一覧
終点モデル
最後のタッチポイントだけ評価
*ラストセッションのみ評価。UA(ユニバーサルアナリティクス)的視点。
起点モデル
初回のタッチポイントだけ評価
*初めてサイトに訪れた初回セッションを評価。GA4的視点。集客、ユーザー獲得を見ると最初のユーザーだらけである。
線形モデル
全てのタッチポイントを均等に評価
*CVに貢献しているタッチポイントを俯瞰的に理解。まずは、試してみたいモデル。
接点ベースモデル
*B2B向き。初回接触後、社内合意形成後しばらくしてCVする。(一般的にB2CよりCVに時間がかかる)
減衰モデル
*B2C向き。初回接触後、数回サイトへ訪問の後CVする。(短期間で何十回となくサイトへ訪問するケース有)