回遊率とは何か?回遊率で検索をかけると「セッション当たりのPV」であると多くのページが検索結果に出てくる。ウェブマーケ系企業のサイトでさへ、そのように説明しているものもある。

果たしてこれは妥当なのだろうか?私はそうは思わない。そもそも基本的な考え方として「百分率」というものの意味を考えてみたい。
*率と言うと百分率を想起される方が多いので その前提で行く。

回遊率

Wiki によると「 百分率(ひゃくぶんりつ)は、割合を示す単位で、全体を百として示すものである。 」とある。そこでこれを 「セッション当たりのPV」 に当てはめると「?」となる。分母がセッションで分子がPV??分子もセッションではないか?とか。回遊率を文字通り捉えると、「分子」(回遊した数字)を「分子に該当する数字を含んだ分母」(回遊した数字+回遊しない数字)で割って100で掛け算するのだろうが、この場合どのように考えたらいいの??となるのだ。算数の問題だ。そう考えると 「セッション当たりのPV」を無理くり回遊率と呼ぶのは憚られる。 「セッション当たりのPV」 は 「セッション当たりのPV」 としか言いようがないのではないか?CPA(コンバージョン当たりのコスト)とか、CPC(クリック当たりののコスト)とかと同じである。

しかも何故か回遊「率」と書かれているのにそれらの回遊率の説明ページでは「%」表示は無だ。もう一度言う。回遊率の説明で「%」が無いのだ。私が観測した範囲でいえば2年くらい前から様々なサイトで同じように掲載されている。

例えばこんな感じだ。「回遊率とは、一人のユーザーがホームページ内のページをどれだけ閲覧したのかを表す指標です。 回遊率は、1訪問あたりのページビュー数(PV/1訪問)で表します 」

某有名な企業のページからの抜粋であるが、ここで、この考え方を当てはめた例を提示する。AさんがTOPページだけを見て、直帰したら、1÷1で回遊率が「1」。1回遊した?となる。直帰でも回遊しているような不思議な説明、しかも「%」が無い。このようなコンテンツがコピペされ、様々なサイトで同じような説明がなされている。悲劇だ。

次に回遊とは何か?を考えてみたい。Wikiによると「回遊(回游、洄游、かいゆう)とは、海や川に生息する動物が、成長段階や環境の変化に応じて生息場所を移動する行動 」とある。ウェブマーケでは単にサイト内のページの移動と捉える方もいるが、私は「ランディングページから他のページへの移動」と考えている。

そもそも回遊とは「移動する行動」である。ランディング (入り口) ページだけを見て回遊している、というのは違和感しかない。ランディングページから他のページに移動してこその回遊ではないだろうか?

アジアスターズでは回遊率を次のように計算している。

必見ページへのセッション÷ランディングページのセッション*100

ランディングページはTOPページ。必見ページというのは、例えばB2Cなら商品紹介ページ、B2Bなら会社紹介ページ等、コンバージョンをする際に必ず見るであろうページとなる。
*LPではなく、よくあるタイプの複数ページを伴ったサイトを想定。

ではどのように当該ページへのセッション、ランディングページのセッションを取得するのか?そこで、アナリティクスのファネル活用を参照して欲しい。
ステップ1、2としてセグメントのシーケンスを使って必要なセッションを取得できる具体的な方法が説明されている。
*ステップ1~4でサンクスページまでの流れをセッションで把握できるので興味ある方は アナリティクスのファネル活用を 最後までお読みください。